雪が降っていた・・・・・・
私の傷を白く染めるように・・・・・・・
私の好きな人が雪の変わりに傷を癒してくれた・・・・・・
傘を差し出して優しく微笑みながら・・・・・・・
私の長い冬の時に傘の下で起きた話があるのでした・・・・・
それは小さいな、ホントに小さなお話があったのです
一月、私たちの町はこの時期になると雪がたくさん降り始め
外には冷たい風が押し寄せてくる
冷たい風が春の訪れはまだ先の話だと言うように
私はこの季節が嫌いだったけれど今は好きな人が帰ってきてくれた季節として好きになりつつあるのです
そして、その人は私の隣にいてくれている
それだけで私には十分だった
今も私はその人を待っている
あの日、私の長い冬に入った日の場所で
あの人と別れた場所で・・・・・・・
「ふぅ・・・・」
ふと溜め息をつく
彼が来るのが遅いのではないけど
私が早く来すぎてずっと待っていた
「祐一・・・・・・」
彼の名を呼ぶけど返事は返ってこない
「今日、イチゴサンデーを奢って貰おうかな？」
私を待たせている罰
これくらいが妥当でしょ？
ただ、それは私の精一杯の罰
それ以上の罰はなにも思いつかない
祐一に浮気されたとか私を泣かせた事以外はそれで許してあげるつもりだから
空を見上げると雪が降っていた
雪はどんどん降ってきて
私の周りが雪に覆われてきた
そんな時に祐一がやって来る
私に傘を差し出しながら・・・・・・・
「お待たせしました。 俺のお姫様」
気取っている祐一に私はこう答える
「遅いよ、私は冷えたんだよ〜、だからイチゴサンデーを奢ってね♪」
すると、祐一は困った顔をしてこう答えた
「わかったよ、それで許してくれるか？」
もちろん、私の答えは・・・・・・
「うん！ それで許してあげる！」
祐一は私の手を取って傘に入れて言った
「どごに行く？」
私は、待っていた時には買い物をしようかと思っていたけど
気分が変わったので散歩をしたいなと思った
「じゃあ、私と祐一が出会った場所を全部回ってみようよ」
祐一はまた困った顔になったけど
その裏に満更でもない感じが見て取れた
「まぁ、全部は無理だけどそれもいいかもしれないな」
そう言って微笑んだ
私は、祐一の傘を持っていない方の手を取って歩き始めた
「ねえ、この町は変わっていくけど祐一は変わることをどう思う？」
「そうだな、俺は変わることを成長と呼べるなら変わるべきだと思う」
「祐一はそう思うんだね・・・・・・」
私は、変わらないでほしい
大切なものは、場所は変わらないでほしい
でも、それが無理なのはわかっている
それが人だから・・・・・・
「でも、私は祐一の反対なんだ」
「どうして？」
「変わっていくことが怖いから・・・・・・」
「そっか・・・・」
祐一は頷いた
「ねえ、祐一」
私は尋ねる
「なんだ？」
「変わらないものなんてあるのかな？」
祐一は笑いながら答えた
「変わらないものはあるぞ。それはとても近くていくつもあるんだ」
「いくつもあるの？」
私はそう尋ねた
「ああ、それは人の想いだ」
「人の想い？」
？が三本立ったように聞いてしまう
「例えば、俺が名雪の事を好きでいることとかさ・・・・・」
祐一はハッとしたように口を塞いだ
顔を見ると紅潮していくのがわかる
「うん！ そうだね！！」
私は満面の笑みで祐一の腕に抱きついた
「ちょっ、おい！」
「いいでしょ？ このくらい」
「そうだけど・・・・・」
ふふ、私を喜ばせた少しのお礼だから
そして、祐一は諦めつつも微笑みながら・・・・・・
「それじゃあ、行くぞ！ 名雪」
私は、祐一の腕に抱きつきながらこう言った
「うん！！」
私の変わらないものを愛おしく想いながら・・・・・・
私たちは、歩き出す
この場所から・・・・・・・・
FIN
あとがき
どうも、初めまして
朱鷺と申します！
勝手に送ってすいません
KanonのSSを書いてみました
未熟な腕で書いたのですが・・・・・
どうでしょう？
感想やアドバイスなどをくれたら嬉しいです！
それでは・・・・・